p.063 仏説無量寿経巻下 目次 // 前頁 / 次頁

べき者なし。仏の在世に曼い当に勤めて精進すべし。それ心を至して安楽国に生まれんと願ずることある者は智慧明達し功徳殊勝なることを得べし。心の所欲に随いて経戒を虧負して人の後にあることを得ることなかれ。もし疑いの意ありて経を解らざる者は、具さに仏に問いたてまつるべし。当にためにこれを説くべし。」
弥勒菩薩、長跪して白して言わく、「仏は威神尊重にして、説きたまうところ、快く善し。仏の経語を聴きたまえて、心に貫きてこれを思うに、世人実に爾なり。仏の言うところのごとし。今仏、慈愍して大道を顕示したまうに、耳目開明して長く度脱を得つ。仏の所説を聞きて歓喜せざることなし。諸天人民蠕動の類、みな慈恩を蒙りて憂苦を解脱せしむ。仏語の教誡、甚だ深く甚だ善し。智慧明らかに八方・上下・去来今の事を見わして、究め暢べたまわざることなし。今我、衆等、度脱を得ること蒙る所以は、みな仏の前世に道を求めしの時、謙苦せしが致すところなり。恩徳普く覆いて福祿魏魏として光明徹照す。空に達せること極まりなし。泥 に開入して典攬に教授し威制消化す。十方に感動す