その時に阿難、すなわち座より起ちて、前みて仏に白して言さく、「世尊、当にいかんがこの経を名づくべき。この法の要を、当にいかんが受持すべき。」仏、阿難に告げたまわく、「この経を、『観極楽国土・無量寿仏・観世音菩薩・大勢至菩薩』と名づく。また『浄除業障生諸仏前』と名づく。汝当に受持すべし。忘失せしむることなかれ。この三昧を行ずる者は、現身に無量寿仏および二大士を見たてまつることを得。もし善男子・善女人、但、仏名・二菩薩名を聞くに無量劫の生死の罪を除く。いかにいわんや憶念せんをや。もし念仏する者は、当に知るべし、この人はこれ人中の分陀利華なり。観世音菩薩・大勢至菩薩、その勝友と為りたまう。当に道場に坐して、諸仏の家に生ずべし。」仏、阿難に告げたまわく、「汝好くこの語を持て。この語を持てというは、すなわちこれ無量寿仏の名を持てとなり。」仏この語を説きたまう時に、尊者目 連・阿難および韋提希等、仏の所説を聞きて、みな大きに歓喜す。
その時に世尊、足虚空を歩みて、耆闍崛山に還りたまいぬ。そ