p.152 顕浄土真実教文類一(教行信証・教) |
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顕浄土真実教文類一
愚禿釈親鸞集
謹んで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり。一つには往相、二つには還相なり。往相の回向について、真実の教行信証あり。
それ、真実の教を顕さば、すなわち『大無量寿経』これなり。
この経の大意は、弥陀、誓いを超発して、広く法蔵を開きて、凡小を哀れみて、選びて功徳の宝を施することをいたす。釈迦、世に出興して、道教を光闡して、群萠を拯い、恵むに真実の利をもってせんと欲してなり。ここをもって、如来の本願を説きて、経の宗致とす。すなわち、仏の名号をもって、経の体とするなり。
何をもってか、出世の大事なりと知ることを得るとならば、
『大無量寿経』に言わく、今日世尊、諸根悦予し姿色清浄にして、光顔魏魏とましますこと、明らかなる鏡、浄き影表裏に暢るがごとし。威容顕曜にして、超絶したまえること無量なり。未だかつて瞻覩せず、殊妙