p.157 顕浄土真実行文類二(教行信証・行) 目次 // 前頁 / 次頁

顕浄土真実行文類二

謹んで往相の回向を案ずるに、大行あり、大信あり。大行とは、すなわち無碍光如来の名を称するなり。この行は、すなわちこれもろもろの善法を摂し、もろもろの徳本を具せり。極速円満す、真如一実の功徳宝海なり。かるがゆえに大行と名づく。しかるにこの行は、大悲の願より出でたり。すなわちこれ諸仏称揚の願と名づけ、また諸仏称名の願と名づく、また諸仏咨嗟の願と名づく。また往相回向の願と名づくべし、また選択称名の願と名づくべきなり。
諸仏称名の願、
『大経』に言わく、設い我仏を得たらんに、十方世界の無量の諸仏、ことごとく咨嗟して我が名を称せずは、正覚を取らじ、と。已上
また言わく、我仏道を成るに至りて名声十方に超えん。究竟して聞こゆるところなくは、誓う、正覚を成らじ、と。衆のために宝蔵を開きて広く功徳の宝を施せん。常に大衆の中にして説法師子吼せん、と。抄要

願成就