p.339 顕浄土方便化身土文類六 本(教行信証・化身土 本) 目次 // 前頁 / 次頁

を超発す。また『観経』には方便・真実の教を顕彰す。『小本』(阿弥陀経)には、ただ真門を開きて方便の善なし。ここをもって三経の真実は、選択本願を宗とするなり。また三経の方便は、すなわちこれもろもろの善根を修するを要とするなり。これに依って方便の願を案ずるに、仮あり真あり、また行あり信あり。願は、すなわちこれ臨終現前の願なり。行は、すなわちこれ修諸功徳の善なり。信は、すなわちこれ至心発願欲生の心なり。この願の行信に依って、浄土の要門、方便権仮を顕開す。この要門より正・助・雑の三行を出だせり。この正助の中について、専修あり雑修あり。機について二種あり。一つには定機、二つには散機なり。また二種の三心あり。また二種の往生あり。二種の三心とは、一つには定の三心、二つには散の三心なり。定散の心は、すなわち自利各別の心なり。二種の往生とは、一つには即往生、二つには便往生なり。便往生とは、すなわちこれ胎生辺地・双樹林下の往生なり。即往生とは、すなわちこれ報土化生なり。またこの『経』に真実あり。これすなわち金剛