p.416 浄土文類聚鈔 目次 // 前頁 / 次頁

に着せず、忍力成就して衆苦を計らず、少欲知足にして染・恚・痴なし、三昧常寂にして智慧無碍なり、虚偽諂曲の心あることなし、和顔愛語して意を先にして承問す、勇猛精進にして志願倦きことなし、専ら清白の法を求めてもって群生を恵利しき、三宝を恭敬し師長に奉持す、大荘厳をもって衆行を具足して、もろもろの衆生をして功徳成就せしめたまう」と。抄出
聖言、明らかに知りぬ。今この心はこれ、如来の清浄広大の至心なり、これを真実心と名づく。至心はすなわちこれ大悲心なるがゆえに、疑心あることなし。
二つには「信楽」、すなわちこれ、真実心をもって信楽の体とす。しかるに具縛の群萠・穢濁の凡愚、清浄の信心なし、真実の信心なし。このゆえに真実の功徳値いがたく、清浄の信楽獲得しがたし。これに依って釈の意を うに、愛心常に起こりてよく善心を汚す、瞋嫌の心よく法財を焼く。身心を苦励して、日夜十二時に急に走め急に作して頭燃を炙うがごとくすれども、すべて雑毒の善と名づく、また虚仮の行と名づく、真実の業と名づけざるなり。この雑毒の善をもってかの浄土に回向する、これ必ず不可なり。何をもってのゆえに、正しくか