p.607 末燈鈔 目次 // 前頁 / 次頁

しがたくそうろう。されば、念仏往生とふかく信じて、しかも名号をとなえんずるは、うたがいなき報土の往生にてあるべくそうろうなり。詮ずるところ、名号をとなうというとも、他力本願を信ぜざらんは、辺地にうまるべし。本願他力をふかく信ぜんともがらは、なにごとにかは辺地の往生にてそうろうべき。このようを、よくよく御こころえそうらいて御念仏そうろうべし。この身はいまはとしきわまりてそうらえば、さだめてさきだちて往生しそうらわんずれば、浄土にてかならずかならずまちまいらせそうろうべし。あなかしこ、あなかしこ。
七月十三日 親鸞
有阿弥陀仏御返事

(十三)たずねおおせられて候う、摂取不捨のことは、ーーー「御消息集(善性本)」第四通に同じ。

(十四)畏申候ーーー「御消息集(善性本)」第一通イに同じ。
追申上候ーーー「御消息集(善性本)」第一通ロに同じ。

(十五)たずねおおせられてそうろうこと・・・まことの信心をえたるひとはすでに仏になりたまうべきーーー「御消息集(広本)」第十五通に同じ。
南無阿弥陀仏をとなえてのうえに無碍光如来ともうすはーーー「御消息集(善性本)」第一通ハに同じ。(この部分は末燈鈔第十四通に一連のものであるが、末燈鈔は誤ってこれを第十五通の追伸として、この位置においてある。)

(十六)なによりも聖教のおしえをもしらずまた浄土宗のまことのそこをもしらずしてーーー「御消息集(広本