南无八万十二一切正法と。次に應に隨逐護念の想を生じて、一心に僧を念ずべし。南无觀世音菩薩。南无大勢至菩薩。南无普賢菩薩。南无文殊師利菩薩。南无彌勒菩薩。南无地藏菩薩。南无龍樹菩薩。南无三世十方一切聖衆。南无極樂界會一切三寶。南无三世十方一切三寶と。三念已上。或は宜しきに隨ひて同音に助念し、或は鐘聲を聞かしめて正念を增せよ。下去之に准ず  二には法性は平等なりと雖も、亦假有を離れず。彌陀佛の言ふが如し。(大經卷下)「諸法の性は一切空无我なりと通達するも、專ら淨き佛土を求め必ず是の如きの刹を成ぜん」と。故に淨土に往生せんが爲に、先づ應に此の界を厭離すべし。今此の娑婆世界は是惡業の感ずる所、衆苦の本源なり。生・老・病・死は、輪轉して際无く、三界の獄縛は一として樂ふべきもの无し。若し此の時に於て之を厭離せずば、當に何れの生に於てか輪廻を離るべきや。然も阿彌陀佛には、不可思議の威力有ます。若し一心に名を稱すれば、念念の中に八十億劫の生死の重罪を滅す。是の故に今當に一心に彼の佛を念じて此の苦界を離るべし。應に是の念を作すべし。願はくは阿彌陀佛、決定して我を拔濟したまへ。南无阿彌陀佛。其の十念以上の信心の勢ひ盡くるを見れば、應に次の事を勸むべし。或は加へて二菩薩を稱せよ。下去之に准ず  三には應に淨土を欣求すべし。西方極樂は是大乘善根の界、无苦无惱の處なり。一び蓮胎に託しぬれば永く生死を離れ、眼には彌陀の聖容を瞻たてまつり、耳には深妙の尊敎を聞く。一切の快樂具足せずといふこと无し。若し人臨終の時に、十び彌陀佛を念ずれば、決定して彼の安樂國に往生す。佛子今適々人身を得、亦佛敎に値へり。猶し一眼の龜の浮木の孔に値へるがごとし。若し此の時に於て往生することを得ずば、還三途八難の中に墮して、法を聞くことすら尚難し。何に況や往生をや。故に應に一心に彼の佛を稱念すべし。應に是の念を作すべし、願はくは佛今日決定して我を引接して、