とかせん」と。仏の言わく、「成仏より已来、おおよそ十劫を歴たまえり。
その仏国土には、自然の七宝、金・銀・瑠璃・珊瑚・琥珀・ ・碼碯、合成して地とせり。恢廓曠蕩として限極すべからず。ことごとく相雑廁して転た相入間せり。光赫焜耀にして、微妙奇麗なり。清浄に荘厳して、十方一切の世界に超踰せり。衆宝の中の精なり。その宝、猶し第六天の宝のごとし。またその国土には、須弥山および金剛鉄囲・一切の諸山なし。また大海・小海・谿渠・井谷なし。仏神力のゆえに、見んと欲えばすなわち現ず。また地獄・餓鬼・畜生・諸難の趣なし。また四時、春秋冬夏なし。寒からず熱からず。常に和かにして調適なり。」その時に阿難、仏に白して言さく、「世尊、もしかの国土に須弥山なくは、その四天王および 利天、何に依りてか住せん」と。仏、阿難に語りたまわく、「第三の焔天、乃至、色究竟天、みな何に依りてか住せんと」と。阿難、仏に白さく、「行業果報不可思議なればなり」と。仏、阿難に語りたまわく、「行業果報不可思議ならば、諸仏世界