p.042 仏説無量寿経巻上 目次 // 前頁 / 次頁

宮殿・楼観、その形色に称う。高下大小なり。あるいは一宝・二宝、乃至、無量の衆宝、意の所欲に随いて、念に応じてすなわち至る。また衆宝の妙衣をもって、遍くその地に布けり。一切の天人これを践みて行く。無量の宝網、仏土に弥覆せり。みな金縷・真珠・百千の雑宝、奇妙珍異なるをもって荘厳し交飾せり。四面に周 して垂るるに宝鈴をもってす。光色晃耀にして、尽極厳麗にして自然の徳風、徐く起こりて微動す。その風調和にして、寒からず暑からず。温涼柔軟にして遅からず疾からず。もろもろの羅網およびもろもろの宝樹を吹くに、無量微妙の法音を演発し、万種温雅の徳香を流布す。それ聞くことあれば、塵労垢習、自然に起こらず、風その身に触るるに、みな快楽を得。たとえば比丘の滅尽三昧を得るがごとし。
また風、華を吹き散らして遍く仏土に満つ。色の次第に随いて雑乱せず。柔軟光沢にして馨香芬烈せり。足その上を履むに、陥み下ること四寸。足を挙げ已るに随いて還復すること故のごとし。