聾盲 ・愚痴・弊悪のものあり。 ・狂・不逮の属あるに至る。また尊貴・豪富・高才・明達なるあり。みな宿世に慈孝ありて善を修し徳を積みて致すところなるに由りてなり。世の常の道、王法の牢獄あり。肯て畏れ慎まず。悪を為して罪に入りてその殃罰を受く。解脱を求望すれども免出を得ること難し。世間にこの目の前の見の事あり。寿終わりて後世に尤も深く尤も劇しくして、その幽冥に入りて生を転じて身を受く。たとえば王法の痛苦、極刑なるがごとし。かるがゆえに自然の三塗無量の苦悩あり。転たその身を貿え形を改め道を易えて、受くるところの寿命、あるいは長くあるいは短し。魂神精識、自然にこれに趣く。当に独り値い向かい、相従いて共に生まれて、更りて相報復すべし。絶え已ることあることなし。殃悪未だ尽きざれば相離るることを得ず。その中に展転して出ずる期あることなし。解脱を得難し。痛み言うべからず。天地の間に自然にこれあり。即時に卒暴に善悪の道に至るべからずといえども、会ず当にこれに帰すべし。これを一つの大悪、一痛、一焼とす。勤苦かくのごとし。たとえば大火の、人