p.066 仏説無量寿経巻下 目次 // 前頁 / 次頁

仏、弥勒に告げたまわく、「汝等能くこの世にして、心を端しくし意を正しくして、衆悪を作らずは、甚だ至徳なりとす。十方世界に最も倫匹なけん。所以は何ん。諸仏の国土の天人の類は、自然に善を作して、大きに悪を為らずは、開化すべきこと易し。今我この世間において仏に作りて、五悪・五痛・五焼の中に処すること最も劇苦なりとす。群生を教化して、五悪を捨てしめ五痛を去けしめ五焼を離れしめ、その意を降化して、五善を持たしめて、その福徳、度世・長寿・泥 の道を獲しめん」と。仏の言わく、「何等か五悪、何等か五痛、何等か五焼、何等か五悪を消化して、五善を持たしめて、その福徳、度世・長寿・泥 の道を獲しむる」と。
仏の言わく、「その一つの悪というは、諸天人民蠕動の類、衆悪を為らんと欲えり。みな然らざるはなし。強き者は弱きを伏す。転た相剋賊し残害殺戮してして迭いに相呑噬す。善を修することを知らず。悪逆無道にして後に殃罰を受く。自然に趣向して神明記識す。犯せる者を赦さず。かるがゆえに貧窮・下賎・乞 ・孤独・