p.081 仏説無量寿経巻下 目次 // 前頁 / 次頁

と。「かの国の人民、胎生の者あり。汝また見るや、いなや。」と。対えて曰さく、「すでに見たまえつ」と。「その胎生の者の処するところの宮殿、あるいは百由旬、あるいは五百由旬なり。おのおのその中にしてもろもろの快楽を受くること、 利天上のごとし。またみな自然なり」と。
その時に慈氏菩薩、仏に白して言さく、「世尊、何の因、何の縁なれば、かの国の人民、胎生化生なる」と。仏、慈氏に告げたまわく、「もし衆生ありて、疑惑の心をもってもろもろの功徳を修して、かの国に生ぜんと願ぜん。仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・無等無倫最上勝智を了らずして、この諸智において疑惑して信ぜず。しかるに猶し罪福を信じ善本を修習してその国に生ぜんと願ぜん。このもろもろの衆生、かの宮殿に生まれて寿五百歳、常に仏を見たてまつらず。経法を聞かず。菩薩・声聞聖衆を見ず。このゆえにかの国土においてこれを胎生と謂う。
もし衆生ありて、明らかに仏智、乃至、勝智を信じて、もろもろの功徳を作して信心回向せん。このもろもろの衆生、七宝華の