仏説観無量寿経
宋の元嘉中に 良耶舎訳す
かくのごとき、我聞きたまえき。一時、仏、王舎城耆闍崛山の中にましまして、大比丘衆千二百五十人と倶なりき。菩薩三万二千ありき。文珠師利法王子をして上首とす。
その時に王舎大城に一の太子あり、阿闍世と名づけき。調達悪友の教 に随順して、父の王頻婆娑羅を収執し、幽閉して七重の室の内に置く。もろもろの群臣を制して、一も往くことを得しめず。国の大夫人あり、韋提希と名づく。大王を恭敬して、澡浴清浄にして、酥蜜をもって に和して、もってその身に塗り、もろもろの瓔珞の中に蒲桃の漿を盛れて、密にもって王に上む。その時に大王、 を食し漿を飲みて、水を求めて口を漱ぐ。口を漱ぐことすでに已りて、合掌恭敬して、耆闍崛山に向かいて、はるかに