遇わん。この人、聞き已りて八十億劫の生死の罪を除く。地獄の猛火、化して清涼の風と為る。もろもろの天華を吹く。華の上にみな化仏菩薩ましまして、この人を迎接す。一念の頃のごとくにすなわち往生を得。七宝池の中、蓮華の内にして、六劫を経。蓮華すなわち敷けん。華敷くる時に当たりて、観世音・大勢至、梵音声をもって、かの人を安慰す。ために大乗甚深の経典を説く。この法を聞き已りて、時に応じてすなわち無上道心を発す。これを「下品中生の者」と名づく。」
仏、阿難および韋提希に告げたまわく、「「下品下生」というは、あるいは衆生ありて、不善業たる五逆・十悪を作る。もろもろの不善を具せるかくのごときの愚人、悪業をもってのゆえに悪道に堕すべし。多劫を経歴して、苦を受くること窮まりなからん。かくのごときの愚人、命終の時に臨みて、善知識の、種種に安慰して、ために妙法を説き、教えて念仏せしむるに遇わん。この人、苦に逼められて念仏するに遑あらず。善友告げて言わく、「汝もし念ずるに能わずは、無量寿仏と称すべし」と。かくのごとく心を