p.332 顕浄土方便化身土文類六 本(教行信証・化身土 本)
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えり、本願成就の尽十方無碍光如来を観知すべしとなり。「広説衆譬」と言えり、すなわち十三観これなり。「汝是凡夫心想羸劣」と言えり、すなわちこれ悪人往生の機たることを彰すなり。「諸仏如来有異方便」と言えり、すなわちこれ定散諸善は方便の教たることを顕すなり。「以仏力故見彼国土」と言えり、これすなわち他力の意を顕すなり。「若仏滅後諸衆生等」と言えり、すなわちこれ未来の衆生、往生の正機たることを顕すなり。「若有合者名為麁想」と言えり、これ定観成じがたきことを顕すなり。「於現身中得念仏三昧」と言えり、すなわちこれ、定観成就の益は念仏三昧を獲るをもって観の益とすることを顕す、すなわち観門をもって方便の教とせるなり。「発三種心即便往生」と言えり。また「復有三種衆生当得往生」と言えり。これらの文に依るに、三輩について三種の三心あり、また二種の往生あり。良に知りぬ、これいましこの経に顕彰隠密の義あることを。二経の三心、将に一異を談ぜんとす。善く思量すべきなり。『大経』『観経』、顕の義に依れば異なり、彰