p.346 顕浄土方便化身土文類六 本(教行信証・化身土 本) 目次 // 前頁 / 次頁

も、信心を彰して能入とす。かるがゆえに『経』の始めに「如是」と称す。「如是」の義はすなわち善く信ずる相なり。いま三経を案ずるに、みなもって金剛の真心を最要とせり。真心すなわち大信心なり。大信心は希有・最勝・真妙・清浄なり。何をもってのゆえに、大信心海ははなはだもって入りがたし、仏力より発起するがゆえに。真実の楽邦ははなはだもって往き易し、願力に藉ってすなわち生ずるがゆえなり。いま将に一心一異の義を談ぜんとす。当にこの意なるべしとなり。三経一心の義、答え竟りぬ。
それ濁世の道俗、速やかに円修至徳の真門に入りて、難思往生を願うべし。真門の方便について、善本あり徳本あり。また定専心あり、また散専心あり、また定散雑心あり。「雑心」とは、大小・凡聖・一切善悪、おのおの助正間雑の心をもって名号を称念す。良に教は頓にして根は漸機なり、行は専にして心は間雑す、かるがゆえに雑心と曰うなり。「定散の専心」とは、罪福を信ずる心をもって本願力を願求す、これを「自力の