p.412 浄土文類聚鈔 目次 // 前頁 / 次頁

易往の大道広く開示せん。恭敬心をもって執持して、
名号を称して疾く不退を得べし。信心清浄なればすなわち仏を見たてまつる、と。
天親菩薩『論』を作りて説かく、修多羅に依って真実を顕す。
横超の本弘誓を光闡し、不可思議の願を演暢したまえり。
本願力の回向に由るがゆえに、具縛を度せんがために一心を彰す。
功徳の大宝海に帰入すれば、必ず大会衆の数に入ることを獲。
蓮華蔵世界に至ることを得れば、すなわち寂滅平等の身を証せん。
煩悩の林に遊びて神通を現じ、生死の園に入って応化を示す、と。
曇鸞大師、梁の蕭王、常に鸞の方に向こうて菩薩と礼す、と。
三蔵流支浄教を授けしかば、仙経を焚焼して楽邦に帰す。
天親菩薩の『論』、註解して、如来の本願、称名に顕る。
往還の回向、本誓に由る。煩悩成就の凡夫人、
信心開発すればすなわち忍を獲、生死すなわち涅槃なりと証知す、と。
必ず無量光明土に至って、諸有の衆生みな普く化す、と。
道綽、聖道の証し難きことを決して、ただ浄土の通入すべきことを明かす。