p.479 浄土和讃 目次 // 前頁 / 次頁

南無不可思議光」已上略抄也
『十住毘婆娑論』(易行品)曰
「自在人 我礼 清浄人 帰命
無量徳 称讃」 已上

讃阿弥陀仏偈和讃
愚禿親鸞作
南無阿弥陀仏

<第一首>
弥陀成仏のこのかたは
いまに十劫をへたまえり
法身の光輪きわもなく
世の盲冥をてらすなり

<第二首>
智慧の光明はかりなし
有量の諸相ことごとく
光暁かぶらぬものはなし
真実明に帰命せよ

<第三首>
解脱の光輪きわもなし
光触かぶるものはみな
有無をはなるとのべたまう
平等覚に帰命せよ

<第四首>
光雲無碍如虚空
一切の有碍にさわりなし
光沢かぶらぬものぞなき
難思議を帰命せよ

<第五首>
清浄光明ならびなし
遇斯光のゆえなれば
一切の業繋ものぞこりぬ
畢竟依を帰命せよ

<第六首>
仏光照曜最第一
光炎王仏となづけたり
三塗の黒闇ひらくなり
大応供を帰命せよ

<第七首>
道光明朗超絶せり
清浄光仏ともうすなり
ひとたび光照かぶるもの
業垢をのぞき解脱をう

<第八首>
慈光はるかにかぶらしめ
ひかりのいたるところには
法喜をうとぞのべたまう
大安慰を帰命せよ

<第九首>
無明の闇を破するゆえ
智慧光仏となづけたり
一切諸仏三乗衆
ともに嘆誉したまえり

<第十首>
光明てらしてたえざれば
不断光仏となづけたり
聞光力のゆえなれば
心不断にて往生す