p.052 仏説無量寿経巻下 目次 // 前頁 / 次頁

可計の無生法忍を得。またかの菩薩、乃至成仏まで悪趣に更らず。神通自在にして常に宿命を識らん。他方の五濁悪世に生じて、示現して彼に同じ、我が国のごとくせんをば除く。」
仏、阿難に告げたまわく、「かの国の菩薩は、仏の威神を承けて、一食の頃に十方無量の世界に往詣して、諸仏世尊を恭敬し供養せん。心の所念に随いて、華香・伎楽・ 蓋・幢幡、無数無量の供養の具、自然に化生して念に応じてすなわち至らん。珍妙・殊特にして、世のあるところにあらず。すなわちもって諸仏・菩薩・声聞大衆に奉散せん。虚空の中にありて、化して華蓋と成る。光色 爍して香気普く熏ず。その華、周円、四百里なるものなり。かくのごとく転た倍してすなわち三千大千世界に覆えり。その前後に随いて、次いでもって化没す。そのもろもろの菩薩、僉然として欣悦す。虚空の中において共に天の楽を奏す。微妙の音をもって仏徳を歌歎す。経法を聴受して歓喜すること無量なり。仏を供養すること已りて未だ食せざる前に、忽然として軽挙してその本国に還る。」