p.053 仏説無量寿経巻下 目次 // 前頁 / 次頁

仏、阿難に語りたまわく、「無量寿仏、もろもろの声聞・菩薩大衆のために法を班宣したまう時、すべてことごとく七宝講堂に集会して、広く道教を宣べ妙法を演暢したまう。歓喜せざることなし。心に解り道を得、すなわちの時に四方より自然に風起ちて、普く宝樹を吹くに五つの音声を出だす。無量の妙華を雨らして、風に随いて周遍す。自然に供養せん。かくのごとくして絶えずして、一切の諸天、みな天上の百千の華香・万種の伎楽をもって、その仏およびもろもろの菩薩・声聞大衆を供養したまう。普く華香を散じて、もろもろの音楽を奏し、前後に来往してかわるがわる相開避す。この時に当りて、熈怡快楽勝げて言うべからず。」
仏、阿難に語りたまわく、「かの仏国に生ずるもろもろの菩薩等は、講説すべきところには常に正法を宣べ、智慧に随順して違なく失なし。その国土の所有の万物において、我所の心なし。染着の心なし。去来進止、情に係くるところなし。意に随いて自在なり。適莫するところなし。彼なく我なし。競なく訟なし。もろ