p.136 無量寿経優婆提舎願生偈(浄土論) 目次 // 前頁 / 次頁

宝華千万種にして、池・流・泉に弥覆せり。
微風、華葉を動かすに、交錯して光乱転す。
宮殿・もろもろの楼閣にして、十方を観ること無碍なり。
雑樹に異の光色あり、宝蘭遍く囲繞せり。
無量の宝交絡して、羅網虚空に遍ぜん。
種種の鈴、響を発して、妙法の音を宣べ吐かん。
花衣の荘厳を雨り、無量の香普く薫ぜん。
仏恵明浄なること日のごとくにて、世の痴闇冥を除く。
梵声の悟深遠にして、微妙なり、十方に聞こゆ。
正覚の阿弥陀法王、善く住持したまえり。
如来浄華の衆は、正覚の花より化生す。
仏法の味を愛楽し、禅三昧を食とす。
永く身心の悩みを離れて、楽を受くること常に間なし。
大乗善根の界、等しくして譏嫌の名なし、
女人および根欠、二乗の種、生ぜず。
衆生の願楽するところ、一切よく満足す。