p.202 顕浄土真実行文類二(教行信証・行) |
目次 // 前頁 / 次頁 |
て智城に入らしむるがゆえに。なお磁石のごとし、本願の因を吸うがゆえに。閻浮檀金のごとし、一切有為の善を映奪するがゆえに。なお伏蔵のごとし、よく一切諸仏の法を摂するがゆえに。なお大地のごとし。三世十方一切如来出生するがゆえに。日輪の光のごとし、一切凡愚の痴闇を破して信楽を出生するがゆえに。なお君王のごとし、一切上乗人に勝出せるがゆえに。なお厳父のごとし、一切もろもろの凡聖を訓導するがゆえに。なお悲母のごとし、一切凡聖の報土真実の因を長生するがゆえに。なお乳母のごとし、一切善悪の往生人を養育し守護したまうがゆえに。なお大地のごとし、よく一切の往生を持つがゆえに。なお大水のごとし、よく一切煩悩の垢を滌ぐがゆえに。なお大火のごとし、よく一切諸見の薪を焼くがゆえに。なお大風のごとし、あまねく世間に行ぜしめて碍うるところなきがゆえに。よく三有繋縛の城を出で、よく二十五有の門を閉ず。よく真実報土を得しめ、よく邪正の道路を弁ず。よく愚痴海を竭かして、よく願海に流入せしむ。一切智船に乗ぜしめて、もろ