p.410 浄土文類聚鈔 目次 // 前頁 / 次頁

徳を報ず、理よろしく先ず啓すべし」と。取要 仏恩の深重なることを信知して、『念仏正信偈』を作りて曰わく、
西方不可思議尊、法蔵菩薩因位の中に、
殊勝の本弘誓を超発し、無上大悲の願を建立せり。
思惟摂取するに五劫を経たり。菩提妙果、上の願に酬えたり。
本誓を満足するに十劫を歴たり。寿命延長、よく量ることなし。
慈悲深遠にして虚空のごとし、智慧円満にして巨海のごとし。
清浄微妙無辺の刹にして、広大の荘厳等しく具足せり。
種種の功徳ことごとく成満せり、十方諸仏国に超逾せり。
普く難思無碍の光を放ちて、よく無明大夜の闇を破す。
智光明朗にして慧眼を開く。名声、十方に聞こえざることなし。
如来の功徳はただ仏のみ知ろしめせり。仏法蔵を集めて凡愚に施す。
弥陀仏の日、普く照耀す、すでによく無明の闇を破すといえども、貪愛・瞋嫌の雲霧、常に清浄信心の天に覆えり。
たとえば日月・星宿の、煙霞・雲霧等に覆わるといえども、