<第三十五首>
自利利他円満して
帰命方便巧荘厳
こころもことばもたえたれば
不可思議尊を帰命せよ
<第三十六首>
神力本願及満足
明了堅固究竟願
慈悲方便不思議なり
真無量を帰命せよ
<第三十七首>
宝林宝樹微妙音
自然清和の伎楽にて
哀婉雅亮すぐれたり
清浄楽を帰命せよ
<第三十八首>
七宝樹林くににみつ
光曜たがいにかがやけり
華菓枝葉またおなじ
本願功徳聚を帰命せよ
<第三十九首>
清風宝樹をふくときは
いつつの音声いだしつつ
宮商和して自然なり
清浄勲を礼すべし
<第四十首>
一一のはなのなかよりは
三十六百千億の
光明てらしてほがらかに
いたらぬところはさらになし
<第四十一首>
一一のはなのなかよりは
三十六百千億の
仏身もひかりもひとしくて
相好金山のごとくなり
<第四十二首>
相好ごとに百千の
ひかりを十方にはなちてぞ
つねに妙法ときひろめ
衆生を仏道にいらしむる
<第四十三首>
七宝の宝池いさぎよく
八功徳水みちみてり
無漏の依果不思議なり
功徳蔵を帰命せよ
<第四十四首>
三塗苦難ながくとじ
但有自然快楽音
このゆえ安楽となづけたり
無極尊を帰命せよ
<第四十五首>
十方三世の無量慧
おなじく一如に乗じてぞ
二智円満道平等
摂化随縁不思議なり
<第四十六首>
弥陀の浄土に帰しぬれば
すなわち諸仏に帰するなり
一心をもちて一仏を
ほむるは無碍人をほむるなり