p.485 浄土和讃 目次 // 前頁 / 次頁

<第十九首>
善知識にあうことも
おしうることもまたかたし
よくきくこともかたければ
信ずることもなおかたし

<第二十首>
一代諸教の信よりも
弘願の信楽なおかたし
難中之難とときたまい
無過此難とのべたまう

<第二十一首>
念仏成仏これ真宗
万行諸善これ仮門
権実真仮をわかずして
自然の浄土をえぞしらぬ

<第二十二首>
聖道権仮の方便に
衆生ひさしくとどまりて
諸有に流転の身とぞなる
悲願の一乗帰命せよ

已上大経意

観経意 九首
<第一首>
恩徳広大釈迦如来
韋提夫人に勅してぞ
光台現国のそのなかに
安楽世界をえらばしむ

<第二首>
頻婆娑羅王勅せしめ
宿因その期をまたずして
仙人殺害のむくいには
七重のむろにとじられき

<第三首>
阿闍世王は瞋怒して
我母是賊としめしてぞ
無道に母を害せんと
つるぎをぬきてむかいける

<第四首>
耆婆月光ねんごろに
是旃陀羅とはじしめて
不宜住此と奏してぞ
闍王の逆心いさめける

<第五首>
耆婆大臣おさえてぞ
却行而退せしめつつ
闍王つるぎをすてしめて
韋提をみやに禁じける

<第六首>
弥陀釈迦方便して
阿難目連富楼那韋提
達多闍王頻婆娑羅
耆婆月光行雨等

<第七首>
大聖おのおのもろともに
凡愚底下のつみびとを
逆悪もらさぬ誓願に
方便引入せしめけり

<第八首>
釈迦韋提方便して