p.486 浄土和讃 目次 // 前頁 / 次頁

浄土の機縁熟すれば
雨行大臣証として
闍王逆悪興ぜしむ

<第九首>
定散諸機各別の
自力の三心ひるがえし
如来利他の信心に
通入せんとねがうべし
已上観経意

弥陀経意 五首
<第一首>
十方微塵世界の
念仏の衆生をみそなわし
摂取してすてざれば
阿弥陀となづけたてまつる

<第二首>
恒沙塵数の如来は
万行の少善きらいつつ
名号不思議の信心を
ひとしくひとえにすすめしむ

<第三首>
十方恒沙の諸仏は
極難信ののりをとき
五濁悪世のためにとて
証誠護念せしめたり

<第四首>
諸仏の護念証誠は
悲願成就のゆえなれば
金剛心をえんひとは
弥陀の大恩報ずべし

<第五首>
五濁悪時悪世界
濁悪邪見の衆生には
弥陀の名号あたえてぞ
恒沙の諸仏すすめたる
已上弥陀経意

諸経のこころによりて
弥陀和讃 九首
<第一首>
無明の大夜をあわれみて
法身の光輪きわもなく
無碍光仏としめしてぞ
安養界に影現する

<第二首>
久遠実成阿弥陀仏
五濁の凡愚をあわれみて
釈迦牟尼仏としめしてぞ
迦耶城には応現する

<第三首>
百千倶胝の劫をへて
百千倶胝のしたをいだし
したごと無量のこえをして
弥陀をほめんになおつきじ

<第四首>
大聖易往とときたまう
浄土をうたがう衆生をば