無量光ともうしけり
<第三首>
十二の如来あいつぎて
十二劫をへたまえり
最後の如来をなづけてぞ
超日月光ともうしける
<第四首>
超日月光この身には
念仏三昧おしえしむ
十方の如来は衆生を
一子のごとく憐念す
<第五首>
子の母をおもうがごとくにて
衆生仏を憶すれば
現前当来とおからず
如来を拝見うたがわず
<第六首>
染香人のその身には
香気あるがごとくなり
これをすなわちなづけてぞ
香光荘厳ともうすなる
<第七首>
われもと因地にありしとき
念仏の心をもちてこそ
無生忍にはいりしかば
いまこの娑婆界にして
<第八首>
念仏のひとを摂取して
浄土に帰せしむるなり
大勢至菩薩の
大恩ふかく報ずべし
已上大勢至菩薩
源空聖人御本地也
高僧和讃 愚禿親鸞作
龍樹菩薩 付釈文 十首
<第一首>
本師龍樹菩薩は
智度十住毘婆娑等
つくりておおく西をほめ
すすめて念仏せしめたり
<第二首>
南天竺に比丘あらん
龍樹菩薩となづくべし
有無の邪見を破すべしと
世尊はかねてときたまう