p.490 高僧和讃 目次 // 前頁 / 次頁

<第三首>
本師龍樹菩薩は
大乗無上の法をとき
歓喜地を証してぞ
ひとえに念仏すすめける

<第四首>
龍樹大士世にいでて
難行易行のみちおしえ
流転輪回のわれらをば
弘誓のふねにのせたまう

<第五首>
本師龍樹菩薩の
おしえをつたえきかんひと
本願こころにかけしめて
つねに弥陀を称すべし

<第六首>
不退のくらいすみやかに
えんとおもわんひとはみな
恭敬の心に執持して
弥陀の名号称すべし

<第七首>
生死の苦海ほとりなし
ひさしくしずめるわれらをば
弥陀弘誓のふねのみぞ
のせてかならずわたしける

<第八首>
智度論にのたまわく
如来は無上法皇なり
菩薩は法臣としたまいて
尊重すべきは世尊なり

<第九首>
一切菩薩ののたまわく
われら因地にありしとき
無量劫をへめぐりて
万善諸行を修せしかど

<第十首>
恩愛はなはだたちがたく
生死はなはだつきがたし
念仏三昧行じてぞ
罪障を滅し度脱せし
已上龍樹菩薩

天親菩薩 付釈文 十首
<第一首>
釈迦の教法おおけれど
天親菩薩はねんごろに
煩悩成就のわれらには
弥陀の弘誓をすすめしむ

<第二首>
安養浄土の荘厳は
唯仏与仏の知見なり
究竟せること虚空にして
広大にして辺際なし

<第三首>
本願力にあいぬれば
むなしくすぐるひとぞなき
功徳の宝海みちみちて
煩悩の濁水へだてなし

<第四首>
如来浄華の聖衆は