p.495 高僧和讃 目次 // 前頁 / 次頁

諸障自然にのぞこりぬ

<第七首>
縦令一生造悪の
衆生引接のためにとて
称我名字と願じつつ
若不生者とちかいたり
已上道綽大師

善導大師 不釈文 二十六首
<第一首>
大心海より化してこそ
善導和尚とおわしけれ
末代濁世のためにとて
十方諸仏に証をこう

<第二首>
世世に善導いでたまい
法照少康としめしつつ
功徳蔵をひらきてぞ
諸仏の本意とげたまう

<第三首>
弥陀の名願によらざれば
百千万劫すぐれども
いつつのさわりはなれねば
女身をいかでか転ずべき

<第四首>
釈迦は要門ひらきつつ
定散諸機をこしらえて
正雑二行方便し
ひとえに専修をすすめしむ

<第五首>
助正ならべて修するをば
すなわち雑修となづけたり
一心をえざるひとなれば
仏恩報ずるこころなし

<第六首>
仏号むねと修すれども
現世をいのる行者をば
これも雑修となづけてぞ
千中無一ときらわるる

<第七首>
こころはひとつにあらねども
雑行雑修これにたり
浄土の行にあらぬをば
ひとえに雑行となづけたり

<第八首>
善導大師証をこい
定散二心をひるがえし
貪瞋二河の譬喩をとき
弘願の信心守護せしむ

<第九首>
経道滅尽ときいたり
如来出世の本意なる
弘願真宗にあいぬれば
凡夫念じてさとるなり

<第十首>
仏法力の不思議には
諸邪業繋さわらねば
弥陀の本弘誓願を
増上縁となづけたり