p.497 高僧和讃 目次 // 前頁 / 次頁

<第二十三首>
本願毀滅のともがらは
生盲闡提となづけたり
大地微塵劫をへて
ながく三途にしずむなり

<第二十四首>
西路を指授せしかども
自障障他せしほどに
曠劫已来もいたずらに
むなしくこそはすぎにけれ

<第二十五首>
弘誓のちからをかぶらずは
いずれのときにか娑婆をいでん
仏恩ふかくおもいつつ
つねに弥陀を念ずべし

<第二十六首>
娑婆永劫の苦をすてて
浄土無為を期すること
本師釈迦のちからなり
長時に慈恩を報ずべし
已上善導大師

源信大師 不釈文 十首
<第一首>
源信和尚ののたまわく
われこれ故仏とあらわれて
化縁すでにつきぬれば
本土にかえるとしめしけり

<第二首>
本師源信ねんごろに
一代仏教のそのなかに
念仏一門ひらきてぞ
濁世末代おしえける

<第三首>
霊山聴衆とおわしける
源信僧都のおしえには
報化二土をおしえてぞ
専雑の得失さだめたる

<第四首>
本師源信和尚は
懐感禅師の釈により
処胎経をひらきてぞ
懈慢界をばあらわせる

<第五首>
専修のひとをほむるには
千無一失とおしえたり
雑修のひとをきらうには
万不一生とのべたまう

<第六首>
報の浄土の往生は
おおからずとぞあらわせる
化土にうまるる衆生をば
すくなからずとおしえたり

<第七首>
男女貴賎ことごとく
弥陀の名号称するに
行住座臥もえらばれず
時処諸縁もさわりなし

<第八首>
煩悩にまなこさえられて