三百六十の骨の聚りて成ずる所にして、朽ち壞れたる舍の如し。諸の節もて支持し、四の細脈を以て周匝彌布す、五百分の宍、猶し泥塗の如く、六の脈相繋ぎ、五百の筋纏ふ。七百の細脈は、以て編絡を爲し、十六の麄脈は、鉤帶して相連ぬ。二の宍の繩有り、長さ三尋半にして、内に於て纏ひ結ぶ。十六の腸胃は、生熟藏を繞る。二十五の氣脈は、猶し窓隟の如く、一百七の關宛は破碎せる器の如し。八万の毛孔は亂草の覆へるが如く、五根・七竅には、不淨盈滿せり。七重の皮

、六味もて長養すること、猶し祠火の呑受して厭くこと無きが如し。是の如き身は、一切臰穢にして、自性憒爛す、誰か當に此に於て愛重し憍慢すべけんや。
『寶積經』九十六 或は云く。九百の臠其の上を覆ひ、九百の筋其の間に連ぬ。三万六千の脈有り、三升の血、中に在りて流れ注ぐ。九十九万の毛孔有りて、諸の汗常に出づ。九十九重の皮は、而も其の上を裹むと。
已上身中骨肉等 又腹の中に五藏有り、葉葉相覆ひ靡靡として下に向ふ、状蓮華の如し。孔竅は空疎にして、内外相通づ。各々九十重有り。肺藏は上に在りて其の色白く、肝藏は其の色靑し。心藏は中央に在りて、其の色赤し。脾藏は其の色黄なり。腎藏は下に在りて、其の色黑し。又六腑有り。謂く大膓を傳送の府と爲す、亦肺の府爲り。長さ三尋半にして、其の色白し。膽を淸淨の府と爲す、亦肝の府爲り。其の色靑し。小腸を受盛の府と爲す、亦心の府爲り。長さ十六尋にして、其の色赤し。胃を五穀の府と爲す、亦脾の府爲り。三升の糞中に在りて、其の色黄なり。膀胱を津液の府と爲す、亦腎の府爲り。一斗の尿中に在りて、其の色黑し。三膲を中瀆の府と爲す。此の如き等の物、縱橫に分布せり。大小の二腸は、赤白色を交へて十八周轉せること、毒蛇の蟠るが如し。
已上腹中府藏 又頂より趺に至り、髓より膚に至るに、八万戸の虫有り。四の頭、四の口、九十九の尾ありて、形相一に非ず。一一の戸に復九万の細虫有りて、