たとい身は苦難の中にあっても 私は精一っぱい努力して 決して後悔はしない

仮令身止・諸苦毒中・我行精進・忍終不悔。『大無量寿経』真宗聖典13頁

これは如来のおことばである。一切衆生を悉く助け取らんと思召したちたもうたお誓い のおことばである。このお言葉の中に如来のお心のすべてがこめられているのである。 われわれもよく「願い」を起し「約束」を立てるけれども末通ることはない。「三日坊主」 ということばすらあるごとくである。もともと真実なきわが身においての誓いであり、願い であるがゆえに、それは純粋なものではないからである。 どこまでも我執から離れ得ないわれわれは、することなすことわが身良かれかしであって、 小慈小悲も無き身である。そして己れの我執にわれとわが身を縛られて迷惑していく。愛 欲の広海に溺れ、名利の大山に踏み迷うわれらのうえに切々と呼びかけたもうものが「念 仏」であり、その念仏の根底となっているのが、この如来のお誓いのおことばなのである。 1972年12月

2006年8月8日